私達二人のささやかな活動は、日本の小さな田舎町に自ら殆どの内装を手掛けた情熱だけを注いだ、
言ってみれば英国式の「茶室」に皆様をお迎えして、手作りのイギリス菓子と紅茶をはさんで集う方々
とのコミュニケーションをお楽しみ頂く場所を提供することにあります。
もちろん主題は英国菓子教室で、特別な材料や器具を使わずに家庭でも気軽に手掛けられるお菓子
を美味しく上手にお作り頂ける様になっていただく事を大切にしておりますが、お菓子が完成するだけ
でも、そのお菓子と美味しい紅茶を淹れていただいてお召上がりいただく、のがゴールではないことを
お伝えしたいと願い、今日まで長い長い年月、努力を重ねてまいりました。
私達はそれぞれにイギリスで学び感じ心が動き、美しいと思ったものを、自分達なりのスタイルで日本
の皆様に少しでもお伝えできる事があるのでは?との思いで懸命に役割を果たそうと苦心して来たの
だと思います。
かつてのアフタヌーンティーやティータイムは「美しいもの」でありました。
それを純粋にお伝えしたいと願い活動をし始めた頃、日本はまだアフタヌーンティーなんて、僅かな人
しか知られていなく、広めることにかなり苦労しました。
なんと!スコーンもそうでしたし。
ここ数年、誰しもに知られるようになるのですが、多くが商売という”正しき?”方向性にどんどん進み
世の中の概念が支配されてしまったように感じております。
でも皆様の中にはそれを「疑問」に思う、ご経験や生き方をされてる方もいらっしゃると信じたい。
そんな中で私達の「人生を掛けた真剣な活動」が報われると感じる日が、とうとう訪れたのでした。
それこそが中国語タイトルで題された「生活美学」。
それも飾られた、カッコつけた”非日常の美”や、”有名”だとか、誰かが良いとした”価値”、美術品や
芸術品をただ生活の中に取り入れて”高尚”と詠い満足する美学ではない、美学。
無名でささやかなでも懸命に積み上げてきた私達の日々の「実践の想い=愛」を、言葉も習慣も異な
る異国の方が拾い上げて下さったのです。
美しきキレイごとでない、生々しい苦悩と挫折と、その逆にある人からだけ与えられる喜びや感動によ
り切り開かれる、人が生きる喜びや理由について。
この哲学的な美学を、長い歴史をもつ大陸の大国、中国の方が共鳴くださった事は嬉しいを通り過ぎ
て”衝撃的”でありました。
漢字が生まれ、悠久の時の中で文学や詩・ポエムを愛する文化が定着している方々に評価していた
だけたことにこの上ない幸福感で心が満ちてまいりました。
難解な私のエッセイが好き、と言っていただけた現実は、まさに夢のようであります。
大連理工大学出版社の本は、殆どが小・中・高校の教科書、そして教育関係であるそうです。
加えてオリジナルの日本語版に負けない立派な製本は、特別なもの、ということです。
まして中国と日本との難しい関係を越えて出版された意義。
関係者の方に「情熱は言葉や国の壁を越えるんですね」とおっしゃって頂いたのが印象的でした。
私は常々、この本が日本から大陸に渡り、広大な中国で拡がり、シルクロードを巡り、数百年後に
やがてヨーロッパに辿り着く”浪漫”に夢を託したいと申しげております。
それは異国の名もない小さな人間が、自分の哲学と信念を人生を掛けて情熱を燃やし続けて生きた
足跡として、のちの遠くの誰かの心の中にある小さな灯に、未来の夢を語り続ける”手掛かり”を伝え
ること。
そこを歩む道に見える、道端に咲く花や、川のせせらぎ、季節の薫りを届ける風、木々の葉擦れ音や
鳥の声、暗闇の夜にあなたの影を映す月明りや、果てしなく遠い山並みの向こうにある広い大空と、
あなたの瞳を輝かさせる陽の光。
そしてそれを同じ様に見つめ感じている、あなたすぐ横に居てくれる人と見つめる未来への道。
これこそが私が目指す”生活美学”であります。
ご一緒にたくさんの夢の見方を学んで参りましょう。
生きる理由を教えて下さったことに、心からの感謝を込めて。
そして、これからはじまる、未来へ。
2026年8月
小澤桂一

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中国語翻訳版 「三餐四季中的生活美学~英式茶点~」
大陸から世界へ羽ばたく本として、未来へ!


